理事長所信

2017年度 理事長所信

公益社団法人 長井青年会議所
2017年度理事長
樋口 和哉

はじめに

戦後の混沌とした時代背景の中、1949年に「新日本の再建は私たち青年の仕事である」という意志の下に、責任感と情熱を持った青年有志により、東京に日本で最初の青年会議所が設立されました。その後、全国各地で青年会議所が産声を上げ、長井西置賜の地にも1966年に長井青年会議所が誕生しました。誕生以来、先輩諸兄は社会情勢や時代の変化に対応しながら、まちのことを想い地域のリーダーとしての気概を持ち率先して行動を起こし、未来を見据えた課題に対して様々な運動を展開してこられました。長井青年会議所の誕生から52年目を数える本年、私たちが活動エリアとしている長井西置賜に目を向けますと、全国的な問題として捉えられている少子化や高齢化社会による労働力の低下、労働環境の悪化、雇用問題、若者の地域離れ、過疎化、人口減少等々、同様の問題を抱えている地方都市ですが、とりわけこの地域は、行政と地域の人々が一体となったまちづくりを目指し模索しながらも、より良い社会へと発展するように努力をしている地域に感じます。
各地の取り組みについては、飯豊町では移住・定住対策として、帰郷を希望する女性の帰郷のきっかけづくりや、まちに縁のある女性の移住、交流の推進を目的に「帰郷希望応援プロジェクト」の実施。小国町では、まちの象徴であるブナと雪の共通イメージである白を基にまち全体を自然と人間の共存の在り方を体験的、保養的に学べる多彩な生活空間として形成する「白い森構想」の推進。白鷹町では、観光交流において「日本の紅(あか)をつくるまちの推進」を重点施策と位置付け、町民の誇りの醸成と認知度向上、誘客促進を目指した取り組み。長井市では、交流人口増加と中心市街地活性化を目的とした観光交流センター「川のみなと長井」の建設や一昨年度の地域コミュニティFMの開局で有事の際には有効な情報収集手段としての役割を担い、平時の際は地域の魅力と様々な情報発信の役割を果たしております。
私たちが暮らすこの地域はどのような課題を抱え、何処に向かおうとしているのかを知り、何が必要で、何が求められているのか、私たち会員ひとり一人も社会人として、JAYCEEとして常にアンテナを張って地域の現状に耳を傾け、広い視野で物事を俯瞰的に捉え先輩諸兄が築いてこられたまちづくりやひとづくりに対する熱意と情熱を継承し、「おらんだのまちを良くしたい!」「幸せを実感出来るまちにしたい!」と故郷を真剣に想う人々をひとりでも多く創出出来るように弛まぬ運動を続けていきましょう。
明治維新や終戦直後など、過去の変革期において愛する国の未来を真剣に考え、命懸けで国づくりを行ってきたのは、どの時代も若さ溢れる青年世代であります。今の時代を生きる私たちにも必ず出来ます。

 

困難は逃げようとする人には恐怖となり、立ち向かおうとする人には感動となる

今年度、基本理念に掲げた「意志ある行動で道を拓く!」という言葉は、個々が為すべき事、皆一丸となって取り組むべき事を、確固たる意志を持ち行動して、未来を切り拓いていくぞ。という私の想いであります。今を生きる青年として未来を切り拓く勇気を持ち、色々な事に言い訳をせず、自分をごまかさず行動しなければ、自分の未来や地域の未来は閉ざされてしまうと思うのです。どのような形であれ、自分に課せられた事から逃げることなく意志を持ち、努力し続ければ必ずその先に道は拓かれます。
これまで私たちが展開してきた事業ひとつ一つには意味があり誰にどうなってほしいのか、このまちをどうしていきたいのか、目的があって実施してきているわけですので、青年らしく斬新な発想力と失敗を恐れず何事もポジティブに考え己を信じ、挑戦する心を持ちお互いに助け合い、青年会議所運動を通じて自己の成長、まちの成長のために意志ある行動で喜びと感動ある一年にして行きましょう。

 

地域の人々との協働による地域活性化事業

私達が暮らす長井西置賜は豊かな自然と風土がもたらす恩恵に与り、誇りある歴史と文化を育みながら今日まで発展してきました。全国的な問題として人口減少や過疎化等で地方都市や西置賜もまちの活力が失われる要因をはらんでおりますが、この地に住まう責任世代として、これらの諸問題に真剣に向き合い、この地に住む人が自分たちのまちに誇りと愛郷心を持てるような活力あるまちづくりを実践しなければなりません。
長井青年会議所の事業のひとつである、「みんなで灯そう夢灯」は、地域の活性化を目的としてこれまで多くの子ども達の夢や願いをランタンに灯し地域内外に発信し、地域全体で子ども達の夢や願いを後押し、豊かな地域社会を創造するために行ってきました。昨年度も地域のたからである長井あやめ公園内にランタンを灯し子ども達の夢や願いを発信してきたことに加え、より具体的に子ども達の夢や願いをサポートしたいという思いから、子ども達ひとり一人が夢や願いを持てるような取り組みとして、「夢授業」を開催しました。
本年度で9年目を迎える夢灯は、学校、行政、他団体や個人と協働で行い、地域への認知も徐々に広がっている事業になってきており、これまで以上に協力関係を強固なものとし、地域全体の事業として実施出来るような体制作りをしていく時期になってきていると感じます。過去の夢灯を振り返り、更なる地域の活性化を図るためには今後どのような形で取り組んだら良いのか検討も含め、事業を実施していきます。

 

次世代を担う子ども達のために

近年の教育事情は次世代へ向けた取り組みとして小学校教育では英語科目を取り入れ、グローバル社会で積極的に活躍出来る国際人を目指した教育を実践しております。
新たな取り組みをする一方で、育ってきた家庭環境や教育環境、社会の変化で自分に自信を持てない子が多い傾向にあります。本当はやれば出来るのに、他人の目を気にして積極的に行動出来ない子や挑戦する前に諦めてしまう子、「出来ること」より「出来ない理由」を探すのが得意な傾向に陥る、いわゆる自己肯定感が低い子ども達です。
ひとりでも多く地域の未来を担う子ども達の健やかでたくましい成長を実現するためには責任世代である私たち大人が、様々な環境の変化を踏まえ家庭、学校、地域が三位一体となり相互に協力しながら適切な環境づくりを進めていかなければなりません。
長井青年会議所では青少年育成を目的として「ながい寺子屋」を開催しており、地域資源を活かした事業を通じて子ども達の心身の成長に寄与してきました。
今年度で5回目を数える「ながい寺子屋」は目まぐるしく変化する社会の中で困難な状況にあったとしても、自分で考え判断、行動し、たくましく生きていく力を育む事業を実践していきます。多くの子ども達が明るく元気に自信を持って行動することで、この先の未来が明るくなることを信じて。

 

新たな仲間づくり

我々は、まちづくり、ひとづくり事業を通して「明るい豊かな社会」の実現のために日々、青年会議所運動を展開しております。近年の全国的な青年会議所会員の減少は喫緊の問題であり、長井青年会議所も同様に、このまま会員拡大を実行せずにいれば5年後には会員数は現状の半分以下となり、組織としての活動は厳しさを増していきます。なぜ減少していくのか、なぜ会員増員に結び付けられないのか、この現状をしっかりと会員ひとり一人が認識して危機感を持って会員拡大をしなければならないことはもちろんですが、「会員が少なくなって、大変だから会員拡大しよう。」では会員は中々増えないと思います。
私が青年会議所へ入会して皆さんと共に活動していくなかで、まちづくりやひとづくりの事を真剣に考え、行動するようになったのは間違いなく青年会議所という組織の御蔭であります。活動出来る喜びや楽しさ、成長出来る機会をまだ見ぬ青年達に伝え、共感をしてもらい会員拡大へとつなげましょう。
まずは私自身が先頭に立って会員拡大に取り組み、入会へとつなげます。新たな仲間となってくれる会員には、共に成長出来るように現役会員がサポートをして新入会員にとって青年会議所活動が有意義なものとなるようにしていきます。 ひとりでも多くの仲間が増えれば自ずと活動の幅は広がりますし、「私も一緒に活動したい!」と思ってもらい共に明るい未来を創造出来る仲間づくりを目指して、会員ひとり一人が自信を持って青年会議所の魅力を伝えていきましょう。青年会議所の魅力を伝えることが出来るのは他ならない私たちなのです。

 

自己の成長につながる出向

私がもし、青年会議所に入会していなければこのように多くの仲間や先輩方との出会いを得ることは当然出来なかったと思います。様々な機会を与えてくれる青年会議所という組織は「出向」という機会があり、その名の通り所属している青年会議所を飛び出し、自らが出向き自らの足で学びを得る事が出来ます。その規模は県内に留まらず、東北地区や日本、果ては世界へとその門戸は広がり、多くの仲間との出会いは友情を育み、自身や他者との価値観の違いや見識を広げる様々な経験や気付きがあなたを待っています。
私も入会以来様々なところに出向させていただき、そこで得た経験を持ち帰りメンバーと共有することで組織の新たな力になったと感じますし、現在でも出向先で出会ったかけがえのない仲間との交流は続き、私の更なる青年会議所活動への原動力と何ものにも代え難い財産になっています。また、組織を力強く動かしていくにはひとり一人の個の力を伸ばすことが必要です。出向は自分の殻を破り、成長の可能性を与えてくれる大きな機会です。「可愛い子には旅をさせよ。」という言葉があるように、私の大切なメンバーだからこそ出向という船に乗り、長井西置賜を出港し、自身を成長させてくれる環境に身を置き、その先々での出会いや学び、経験を積んで一回りも二回りも成長して帰港してほしいと思います。「井の中の蛙、大海を知らず。」では成長の度合いは小さなものになります。自身の未来を、組織の未来を切り拓く一歩を踏み出すことが重要です。

 

結びに

私は、2005年に長井に帰郷し2006年に長井青年会議所に入会させていただきました。入会のきっかけはOBでもある父の「仲間を増やしてこい。」の一言で何も分からぬまま入会したことを覚えております。地元の事も良く知らない自分が、地域のため、子ども達のために行動を起こそうという思いはそれほどなく、ただ何となく活動する日々を送っていました。そんな私を少しずつ変えてくれたのは、先輩方の何事にも情熱を持って行動する姿でした。時間の使い方や事業立案の仕方、あいさつひとつにしても様々なことを教わり、共に活動させていただいていることに厳しさや楽しさを感じ、いつしか地域や社会に対する考え方が変わったのです。
そんな私に成長の機会を与えていただいた青年会議所にお世話になって早10年、私、樋口和哉は本年、公益社団法人長井青年会議所第52代理事長として地域の方々やこの地域のために弛まぬ運動を展開してこられた先輩諸兄、そして長井青年会議所に最大級の恩返しをする機会をいただきました。まだまだ未熟な私ですが、組織の長として確固たる意志を持ち2017年度の運動を導いて参ります。多くの人の支え、そしてこの地に生かされていることに感謝の気持ちを忘れることなく、しっかりと前を向き、メンバーと共に手を携え10年後20年後、その先の地域の未来を見据え、ひとり一人の活動を組織としての大きな運動につなげて、「明るい豊かな社会の実現」を目指します。今という一瞬は二度と来ないのだから、夢中になろう!価値ある人生を送ろう!
意志ある行動で道を拓く!

2017.04.10[理事長所信]